MEO経由のCVが「直接」や「参照」に化ける理由と対処法【Googleビジネスプロフィール計測】
「MEOの問い合わせが0件」は、たいてい事実ではない
MEO対策に力を入れ、Googleマップでの表示回数も伸びている。ところが解析ツールを開くと、マップ経由のコンバージョンがゼロ。あるいはごく少数。こうした食い違いは、店舗集客の現場で非常によく起こります。
この場合、まず疑うべきは「本当に問い合わせが来ていないのか」ではなく、「来ているのに、別の経路として数えられていないか」です。実際、ビジネスプロフィールの管理画面では「ウェブサイトへのアクセス」が数十件ある一方、解析側ではマップ経由が0件、という状態は珍しくありません。数字が消えたのではなく、行き先が変わっているだけです。
次のような症状に心当たりがあれば、この記事の内容が当てはまります。
- マップの表示回数は伸びているのに、経路別のCVでMEOが0件のまま
- 「直接流入」が全体の半分近くを占めている
- 「参照」が多いのに、実際に他サイトからリンクされている心当たりがない
- ビジネスプロフィールの「ウェブサイトへのアクセス数」と、解析側の数字が大きく違う
- 院長の実感では「マップを見て来た」という患者様が多いのに、数字に表れない
最後の項目は特に重要です。現場の実感と数字が食い違うとき、間違っているのはたいてい数字の側です。来院時のアンケートで「どこで当院を知りましたか」を聞いている場合、その結果と解析の数字を突き合わせてみると、ズレの大きさがはっきりします。
なぜ流入元の情報が消えるのか
ホームページ側が「どこから来たか」を知る手がかりは、主にリファラーと呼ばれる情報です。これは「直前に見ていたページのURL」で、ブラウザが自動的に渡してくれます。ただ、この情報は思っている以上に簡単に失われます。
理由1:マップアプリからの遷移では、そもそも渡されない
スマートフォンのGoogleマップアプリから店舗のホームページを開くと、アプリ内のブラウザが立ち上がります。このとき、リファラーが空のまま渡されることが多くあります。ホームページ側から見ると「どこから来たのか分からない人」なので、「直接流入」に分類されます。
MEOの流入はスマートフォンが中心で、そのスマートフォンではマップアプリの利用が主流です。つまりMEOの流入のうち、かなりの割合がここで消えます。
理由2:パソコンのマップは、自然検索と区別がつきにくい
パソコンでGoogleマップを見た場合はリファラーが渡されますが、そのドメインはGoogleです。通常のGoogle検索から来た人と、見た目上ほぼ同じになります。URLの形から判別できる場合もありますが、確実ではありません。
理由3:サイト内を回遊すると、そこで上書きされる
これがもっとも見落とされやすく、そして影響が大きい原因です。
マップからトップページに着地したお客様が、そのままボタンを押すとは限りません。料金ページを見て、アクセスページで場所を確認して、それから電話やLINEのボタンを押す。ごく自然な行動です。
ところが、ボタンを押した瞬間のリファラーは「直前に見ていた自分のサイトのページ」になっています。マップの情報は、2ページ目に移動した時点で上書きされて消えているのです。結果、ホームページ側は「自分のサイトから来た人」と認識し、「参照」に分類します。
解析ツールごとに、見え方が違う理由
「解析ツールではマップ経由が見えているのに、CV計測ツールでは0件」という食い違いもよく起こります。これは片方が壊れているのではなく、流入元を覚えている期間が違うためです。
| 仕組み | 流入元をいつ判定するか | 回遊した場合 |
|---|---|---|
| 訪問全体を追う解析ツール | サイトに着地した最初の1回 | 最初の流入元を保持し続ける |
| 行動ごとに記録する計測 | ボタンが押された瞬間 | 直前ページで上書きされる |
訪問単位で見る解析ツールは、着地したときの流入元を訪問中ずっと覚えています。一方、ボタンのクリックだけを個別に記録する仕組みでは、その瞬間の情報しか手元にありません。同じ訪問者でも、見る仕組みによって経路の判定が変わるのはこのためです。
対処法:ビジネスプロフィールのURLに目印を付ける
リファラーが当てにならないなら、URL自体に流入元を書き込んでおくのが確実です。Googleビジネスプロフィールの管理画面で、「ウェブサイト」欄のURLにパラメータを付けます。
https://example.com/?utm_source=google&utm_medium=maps
こうしておくと、マップから来た人は必ずこの形のURLで着地します。リファラーが空でも、URLを見れば流入元が分かるようになります。アプリ経由でリファラーが渡されない問題は、これで解決します。
- ビジネスプロフィールの管理画面を開く編集メニューから「ウェブサイト」の項目を選びます。
- URLの末尾にパラメータを追加するすでに
?が付いている場合は&でつなぎます。 - 実際にマップから開いて確認するスマートフォンのマップアプリから開き、URLにパラメータが残っているかを見ます。
- 複数店舗ならすべてに設定する1店舗だけ設定漏れがあると、その店舗だけ数字が出ません。
- 設定後は定期的に確認するプロフィールを編集した際に、素のURLへ戻ってしまうことがあります。
パラメータを付けても、まだ消える場合がある
ここが見落とされがちなポイントです。URLにパラメータを付けても、回遊による上書きは防げません。
マップからパラメータ付きのトップページに着地し、そこから料金ページへ移動すると、URLは通常の /price のような形になります。パラメータはトップページのURLにしか付いていないので、ここで手がかりが失われます。ボタンを押すのがさらに先のページなら、なおさらです。
| お客様の動き | パラメータだけの対処 |
|---|---|
| マップ → トップ → そこでボタン | 計測できる |
| マップ → トップ → 1ページ移動 → ボタン | 直前ページを見れば拾える場合がある |
| マップ → トップ → 2ページ以上移動 → ボタン | 手がかりが残らない |
これを完全に解決するには、着地したときの流入元をブラウザ側に一時保存しておき、ボタンが押されたときに一緒に送る仕組みが必要です。訪問全体を追う解析ツールが内部で行っているのと同じ考え方で、計測ツール側の対応になります。
「MEO」と「自然検索」を分けて考える
もうひとつ、実務でよく混乱するのがMEOと自然検索の切り分けです。どちらもGoogleからの流入なので、まとめて「Google経由」として扱われてしまいがちですが、この2つは意味がまったく違います。
| MEO(マップ・ビジネスプロフィール) | 自然検索(通常の検索結果) | |
|---|---|---|
| 探している人 | 近隣で今すぐ行ける店舗を探している | 症状や悩みについて調べている |
| 来店までの距離 | 近い | やや遠い(情報収集段階を含む) |
| 効く施策 | 口コミ・写真・営業情報の整備 | 記事コンテンツ・サイト構造の改善 |
| 成果が出る速度 | 比較的早い | 時間がかかる |
この2つを合算したまま見ていると、「Google経由のCVが増えた」としか言えず、何が効いたのかが分かりません。口コミ投稿の依頼を強化した結果なのか、書いた記事が読まれ始めた結果なのか。判断できないまま、どちらの施策も手探りで続けることになります。
自然検索の流入はUTMパラメータが付かないのが通常なので、マップ側にだけ目印を付けておけば、この2つはかなりの精度で分けられます。まずMEOを切り出せるようにする、というのが実務的な第一歩です。
MEOの成果を正しく評価するために
MEOは、近隣で今すぐ来店したい層を集めやすい経路です。広告と比べて成約に近い問い合わせが多い傾向があり、実際、経路別に成立率を見ると、マップ経由が上位に来ることは珍しくありません。
にもかかわらず、その成果が「直接」や「参照」に紛れ込んでいると、MEO対策そのものが正当に評価されません。成果が出ているのに、数字の上では何もしていないように見えるという状態は、施策を続ける判断にも影響します。
- ビジネスプロフィールの「ウェブサイト」URLにパラメータが付いているか
- 複数店舗の場合、全店舗に設定されているか
- 設定後、実際にマップアプリから開いて確認したか
- 「直接」「参照」の件数が不自然に多くなっていないか
- ビジネスプロフィールの「ウェブサイトへのアクセス数」と、解析側の数字が大きく乖離していないか
最後の項目はとくに有効です。ビジネスプロフィール側のアクセス数と、解析側のマップ経由の数字を並べるだけで、どれだけ取りこぼしているかの目安が分かります。
まとめ
MEO経由のCVが見えない原因は、設定ミスではなくリファラーが失われる仕組みそのものにあります。アプリ経由では渡されず、パソコンでは検索と区別しづらく、サイト内を回遊すれば上書きされる。三重に消えやすい構造です。
まずはビジネスプロフィールのURLにパラメータを付けること。これでアプリ経由の取りこぼしは大きく改善します。そのうえで、回遊しても流入元を保持できる計測方式を選べば、MEOの成果を正しく評価できるようになります。
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